ゼンメルワイス 個人的ざっくりまとめ

参考: ゼンメルワイスの物語

 ゼンメルワイスは「医療従事者を介した産褥熱は、手洗いという予防措置により防ぐことが可能である」ということを最初に証明した人物である。

1840年代、産婦が産褥熱により死亡する確率は最高30%であった。
当時は細菌や消毒法が知られていない時代であり、傷は化膿するのが当然であり、化膿することにより治ると考えられていた。

ゼンメルワイスは医師に対して、「死体解剖室から出た後およびある患者の診察から他の患者の診察に移る際には、必ず塩素溶液で手洗いをするように」と指示した。その結果、第1における産婦の死亡率は指示前12%から指示後1%に激減した。

 1861年「産褥熱の原因・概念・予防」を出版したが、彼の知見および出版物は当時の医学界では否定された。

参考: 感染制御の父 イグナッツ・ゼンメルワイス

仮にゼンメルワイスの発見が真実だとしても、彼のアドバイスにあるように、妊婦を診断する前に毎回手を洗うことは、面倒過ぎると反論されました。また医師たちも自分たちが多くの死を引き起こしていることを認めようとしませんでした。

とくにドイツで開かれた医学系の学会では、彼の学説は講演者にことごとく否定されました。医学界の権威がゼンメルワイスの発見を認めなかったために、何千人もの若い妊婦が命を落としました

以後、彼は保守的な政治勢力のもと失職し、

(中略)

精神状態が悪化してから数年後、ゼンメルワイスはウイーンにある精神病院に入れられた。そこで暴れ出した彼は、病院の職員による暴行を受ける。その時の傷がもとで2週間後に死亡したのだ。 

参考: 人類とAIが切り開く未来

自然を丁寧に観察しデータを蓄積していくと、従来の説では説明できない矛盾があらわになり、新しい説を持ち出さざるを得なくなる。 こうしたことの積み重ねで自然科学は発展してきた。だから、自然科学の研究者は、なるべく予断を持たないように、謙虚にデータと向き合う姿勢が大切である。

理論はどこまで進歩しても嘘をつくが、データは嘘をつかないからである。

もちろん、自然科学だけではない。経済や社会についても、データ第一で考えるべきである。しかし、こと、人間が関わる事象に関しては、まだまだ「こうあるべき」という考え方が根強い

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Monthly mortality rates 1841-1849 (public domain) [ link ]